ピーター・フランクルって誰?
ピター・フランクルさんをご存知のない方のために簡単に私の彼の印象を紹介しておくとジャグリングができる算数の得意な外国人といったところでしょうか。
ただ、実際はそれだけではなくて、算数オリンピックの専務理事を務めたりされていたり、12か国語を操る凄い人のようです。
また、アルゴというカードゲームを考案されています。
ちなみにアルゴはかなり評判が良いですし、簡単に楽しめますのでお勧めです。
「たけし・逸見の平成教育委員会」に出演されていましたし、NHKの教育テレビに出演されていたことがありましたからテレビでご覧になったことも多いのではないかと思います。
そういえば、最近お見掛けしませんが・・・
ピーター・フランクルさんがテレビに出演していないのではなくて、私自身あまりテレビを見なくなったからもしれません。
学力を伸ばす「親力」ってどんな本?
2005年に発行された本で、ピーター・フランクルさんの教育に関する考え方がまとめられています。
ピーター・フランクル 実業之日本社 2005-09-09
結構過激な意見も
私たち日本人にはない感性で、日本の社会をご覧になっているので結構面白い指摘があります。
中でも面白いなあなるほどなあと思ったのが次の2点
1 部活はやりすぎるな
部活に若い時期の大切な時間を奪われるのは、ナンセンスといったことを主張されています。
確かに日本の部活あるいは少年団は楽しむというより練習練習で勝利至上主義というか、少年団を始めたばかりにそれ以外のことの多くを犠牲にしなければならないことが多すぎるような気がします。
子供たちには、多様な経験をさせてあげたいと考える私もこの考えに賛成です。
2 富士山が日本で一番美しい山はおかしい
あたかも当たり前のように富士山が日本で一番美しい山と記載されている教科書などが多すぎるという指摘です。
鹿児島に住む子供にとっては桜島が一番であろうし、実際にそこに住むものにまずは愛着を感じるのが先でしょうということです。
なるほど私たちは、「常識」としてそういった考えを子供たちに植え付けているのかもしれません。
世界は広く多様だということを知らず知らずのうちに否定してしまっていないかという警鐘です。
本を読んでみての感想
まず、感心したのがハンガリーの教育システムです。
小中学校はほとんど午前中で終了だそうです。
その後自習をするか、家に帰るかは自分たちで決めるそうなんですが、ピーターさんは家に帰り家族とゆっくりと過ごすのを日課にしていたそう。
その中で両親から様々なことを学んでいったとのことです。
子供と過ごす時間を大切にできるってとっても素敵ですよね。
夏休みが長すぎるーなんて言っていた自分が恥ずかしいです。
そういえば、静岡県かどこかの町のやたら夏休みを短くする計画は着々と進行しちゃっているんでしょうか。
この本を読むとそんな暴挙やめたらどうでしょうかとますます思います。
それとこの本の特筆すべき点として、ピーター・フランクルさんは、数学者ではあるんですが、日本語を大切にすることに対して多くの紙幅を費やされています。
日本語の美しさを、私たちは子供に伝えきれているでしょうか。
外国語を学ばせる前にまずは日本語をしっかりと教えていく必要がありそうです。
12もの言語を操る数学者のこの提言は重みがあります。
まとめ
公文を習わせるかどうかということを迷っている時期に読めてよかったなあと思います。
>>>公文をやらせるべきか3つの視点から考える
計算の速さ、進度の速さが地頭の良さとは異なるという思いを強くしました。
夫にも是非薦めたいですし、皆様にも読まれることをおすすめします。
結論としてはすごく月並みなんですが、ピーターさんの親がそうであったように、子どもと過ごす時間を大切にしなければいけないと改めて思いました。
子供と過ごす時間に親が何を残してあげられるか、まさに親力を高めていかなければいけないんですね。
子供に勉強しろというよりもともに学ぶ、あるいは自らが学び子供に伝えていく努力が必要だと感じました。
この本自体は、随分前に執筆されている本ですが、今読んでも決して古びた感じはしません。
それだけ、ピーター・フランクルさんの提言が本質を突いたものだからなのではないでしょうか。
ピーター・フランクルさんはこの本以外にもたくさんの本を執筆されているので、機会を見つけて読んでいきたいと思います。