
午後9時頃かかってきた電話。
それは、光コラボの勧誘であった。
しかし、田中と名乗る男の話しぶりはむしろ勧誘というより変更をするから手続きが必要になるといった感じのものであった。
>>>詐欺!?光コラボの勧誘業者に引っかかりそうになった話①
勧誘の内容をネットで検索してみる
田中の電話が終わったのは夜9時15分くらいだった。
通信費の月額費用が安くなることに喜んだ私だったが、心のどこかに引っかかりを感じてすぐさま光回線について調べてみた。
幸い子供たちは、田中との電話の間に眠たさのあまり隣室で寝てしまった。
当初私は、AUのサービスが終了するものだとばかり思っていたから、「AU 光 サービス終了」などと検索窓の打ち込んでいた。
AUが光事業から撤退するとなると世間的にも結構一大事だろうな。
私は、そんなことも知らなかったのかなあなどと思いながら・・・
しかし・・
しかし、そのような情報は何も出てこない。色々キーワードを変えてみたが、それらしき情報はない。
ならばと、AUの公式ホームページを見てみようと探ってみるも、AUの公式ホームページは、なんらいつもと変わった雰囲気を出していない。
すこぶる快調のようだ。
また、もしかしたら私の使っているプロバイダーかとも思い、プロバイダーのホームページもみてみたが、そのようなサービスの変更などということは何も記載されていない。
私は、もしや田中は我が家の在宅時間をチェックするためだけに、あのような手の込んだ嘘をついて我が家の在宅時間を調べたのかと思い空恐ろしくなった・・・
光コラボレーションってなんだ?
私は眠たい目をこすりながら、田中が言っていた光コラボレーションという単語を検索窓に打った。
そのとき田中にたいして疑いの気持ちを幾分有していた。
いや控えめに言ってもすでにかなり疑っていた。
むしろ、我が家の在宅時間を調べるための電話なんかよりも、悪質な勧誘であってほしいとさえ思った。
検索窓には、勧誘 悪徳 という単語を打つことも忘れない。
するとどうであろうか出るは出るは光コラボレーションの勧誘に関する注意喚起などなどが次から次へと出てくるではないか。
総務省もすでに手を打っているではないか。
総務省のこれは、なかなかまとまっていて分かりやすい。
光コラボレーション勧誘の手口
もちろん、光コラボレーションを勧誘することではないし、光コラボレーションそれ自体も悪いものではないのであろう。
問題はその勧誘の仕方だ。
上の総務省が作成したPDFでは、1回目の電話で注意すべき点として次のことを上げている。
・乗換え先事業者の代理店であることが説明 されない
・現在利用中のサービスのプラン変更である と誤解させるような案内
・現在の料金を確認することなく、「安くなる」 と断定的に案内
・ NTT東西の設備を使うことを殊更に強調
出典:総務省
我が家への電話にも当てあははまることが多々ある。
我が家への電話で特に問題と思われるのは以下の行為
会社名を名乗らない
確かに田中は最後の最後で光コラボレーションと名乗った。
しかし、それまではあくまでAUの人間かのような振る舞いであった。
また、光コラボレーションに移行するのが当たり前かのような説明で、総務省のPDFでいうところの「・現在利用中のサービスのプラン変更である と誤解させるような案内」にあるだろう。
事実、私は全員が光コラボレーションへ移行すると私は思いこまされていた。
不足するサービスの説明
田中の説明では、AUのスマホ割りもそのまま継続できるし、ドコモを利用すればNTTのスマホ割りにも移行できるといっていた。
しかし、それはおそらくは嘘だろう。冷静に考えればNTTの回線を使用しているのにAUのスマホが割引になるはずがない。
2回目の電話の内容も大体わかった。
さて、次にかかってくる2回目の電話は、田中よりも社内での地位が上の人間がかけてくるであろう。
電話の際に、田中の声が一瞬明るくなったのは、おそらく2回目の電話の約束を取り付けたであるからだろうと思う。
彼は彼なりのノルマがあり、それが一つ達成されたことにより喜びが思わず声色に出たのだ。
田中よ。悪いことは言わない、故郷に帰れ。
そして、故郷の両親にたっぷり親孝行をしてやれ。
こんなことをするためにお前は東京に出てきたわけではなかったはずだ。
東京という街に、お前は少しミスキャストだったけれど、決してそれは悪いことではない。
私は、田中に怒りの感情よりも同情の念を抱いていた。
もちろん、田中のことなど私は何一つ知らないのだが…
田中の人となりや人格は分からないけれど、2回目の電話は総務省のおかけで随分分かった。
なにより我が家の在宅時間なんかを調べるのではなく、単なる悪質な勧誘でむしろよかった。
しかも、今調べておいて良かった。2回目の電話で騙されると結構めんどくさそうだ。
私は、とりあえずKDDIとプロバイダーに今回の件をメールして、貴社からの勧誘かどうかということを確認するメールを打って床についた。