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「置き勉」禁止問題とは何なのか

ランドセルの画像
ここにきてにわかに注目を集めている置き勉禁止問題。
NHKのニュースでも取り上げられたこともあり、世間でも知られることになったようです。
ある調査によると小学生低学年の平均のランドセルの重さは7.7キロだったといいますから相当な重さです。
ランドセルそのものの重さは、おおむね1キロから1.5キロですから実に6キロ以上の荷物を小学生は背負っていることになります。
そもそも低学年児童の体重は20キロそこそこ。実に自分の体重の3分の1以上の荷物を背負って通学しているということなんです。
これは、60キロの大人が20キロの重さの荷物を背負って会社に行くことに相当します。
小学2年生のわが子のある日のランドセルを図ってみると8キロオーバー!!確かにこれは重いと言わざるを得ないです。
薪を背負いながら勉学に励んだといわれる二宮尊徳も真っ青の重さです!!
そもそもなぜ置き勉は禁止されているのでしょうか?
置き勉禁止の理由は
そもそもなぜ置き勉を禁止しているのでしょうか?
置き勉を禁止している学校からは、いくつかの理由が示されていますが、主なものはつぎのとおりです。
- 教科書などを学校に置いてあるといたずらされたりいじめの原因となる。
- 教科書やノートで予習・復習をする必要があるから。
ⅰについては、かなり意味が不明に感じるのは私だけでしょうか?教科書が置かれているだけでいじめにつながるなら、教科書が置かれていなくてもいじめは起こりうるでしょう。問題をすり替えているように感じてしまいます。
ⅱ この理由を採っている学校は主要五教科以外の置き勉は認めているところもあります。
また、「置き勉問題」が脚光を浴びたことにって学校側でも見直しの動きが広まり、主要科目以外は置き勉をしていっても良いとするようになったところもあります。
置き勉禁止はいつから
置き勉禁止がいつから定着してきたのかはわかりませんが、少なくとも私は高校生の頃に置き勉を禁止されていました。
小学生の頃も意識していないかっただけで、当然のように教科書は持って帰ってきていたような気がします。
ただ、昨今の教科書は大きくなってきていますし、副教材も多くなってきている傾向にあるようです。
確かにランドセルもA4が入るようになり、そして今ではA4フラットファイルが入るものが主流になっていますよね。
一方で、ランドセルは軽量化や背負った時の負担を軽くするような涙ぐましい努力がされているわけです。しかしながら、ランドセルがフィットちゃんだの天使の羽だの軽くなったなんて言ったって、中に入れてくる荷物が大きく重くなっているのでは、本末転倒のような気がします。
置き勉のデメリット
置き勉をすることのデメリットとしてまず挙げられるのが、家で教科書を使った勉強をしなくなるということが考えられます。
確かに、教科書がなければ、今日学んだことをしっかり復習できないというのは、その通りかもしれません。
また、逆に予習という側面から考えても
置き勉で学力低下って本当?
「置き勉」をすることで学力低下が起こるといったデータは今のところ特段ないようです。
置き勉のメリット
NHKの番組でも指摘されているように、ひどい子は、肩、腰、背中などに痛みを感じるなど体調に異変が生じているようです。
置き勉をすることで、鞄の重さに由来する体の不調は、解消されるわけですから、このメリットは小さくないといえます。
それと、これはメリットに挙げてよいのかですが、持ち帰らないわけですから忘れないという効果も考えられるます。
文部科学省の動き
文部科学省では、こうした置き勉問題が、ネットをはじめ様々なメディアで騒がれていることを受け全国の教育委員会に宿題などで使用しない教科書等については、置き勉を認めるよう通知したそうです。

ネットでは
そもそもランドセルってなんであるの?
などといったランドセル不要論まで見受けられます。
私は、ランドセルは両手がふさがらない、転んだ時にクッション代わりにもなり得るなどの理由から必要だと感じていますが、ランドセルが不要かどうかも含めてオープンに議論できる土壌は大切にしたいなと思います。
まとめ
小学校時代の置き勉の記憶は(遠すぎるせいか)あまりありませんが、高校時代は置き勉禁止とされていた記憶があります。しかもたちがわるいことに、辞書まで持ち帰るように指導されていました(私は、持って帰っておりませんでしたが…)。辞書を素直に持ち帰っていた子は、かなり大きな荷物を毎日抱えて通学していて、本当に気の毒でした。
ネットを見ていると、文部科学省の通知を待つまでもなく、保護者からの申し入れに呼応する形で置き勉を容認するようになるなどの動きも見られたようです。
ランドセルの購入の際には、重いだの軽いだのあーだのこーだの言っていますが、結局は中身に何を詰めるかが大事なわけですから、こうした問題は少しでも改善されていくといいですね。