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成功するには、法則がある!?
何をやってもうまくいく人(あるいはそう見える人)と何をやってもうまくいかない人(あるいはそう見える人の違いは何だろうという漠然とした疑問が私には以前からありました。
もちろんそれは私の人生においても主要なテーマでもありますし、私が愛情をたっぷり注ぐ二人の息子たちが人生という物語で成功してほしいからにほかなりません。
2017年は、どちらかというと教育関連の本を多く読んだと自負していますが(おそらく2018年もその傾向は変わらないのではないかと予想していますが・・・)、そんな中教育本というよりどちらかというと自己啓発本に近い本書「残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する」を手にとりました。
まずは成功の定義について考えておく必要がある
前置きが長くなってしまいましたが、人生において「成功」かどうかという問いは非常に深淵です。それは、単に学力が高いというわけではないですし、金銭的な価値によって決まるものでもありません。
このことは本書の冒頭でも触れられていることですが、「成功とはあなた次第」ということになります。
つまり、あなたが「何を」目指すのかということから始めなければならいないのです。
成功のために必要なこと
成功のために必要なことは、スティーブン・R・コヴィー博士が名著「7つの習慣」で取り上げているように目的を持つとことから始めなければなりません。
私たちがどんな人生を送りたいかということを、自らに語り掛けなければならないことに改めて気が付かせてくれます。
成功を科学するということ
近年アメリカでは、エビデンス(証拠)に基づく幸福学や成功哲学が流行しているそうですが、本書もまさにそういったエビデンスに基づいた成功へのアプローチを提示してくれています。
世界的ベストセラーは正しかった?
「7つの習慣」や「人を動かす」などととの共通点
本書を監訳された橘玲さんが、本書を引用しながら自身のブログで述べているように、例えば企業では、同調性の低い人間の方が同調性の高い人間よりも年収が高くなるなどの傾向があるそうです。
ただ、本書の邦題は、少し奇をてらいすぎているかなと思います。
アメリカの原題は、「BARKING UP THE WRONG TREE」とのことですが、直訳すると「間違った木に吠える」といったくらいの意味になります。
私たちが、成功のために必要と思っていることの誤り、思い込みを指摘してくれはするのですが、その中身は実は自己啓発書の世界的名著である「7つの習慣」や「人を動かす」(この2冊の本は、橘玲さんのあとがきでも触れられています!!)で語られていることと重なる部分も数多くあります。
改めて指摘するまでもありませんが、これらの二つの名著はともに過去の成功者の著作を徹底的に読み込み分析して書き上げた著作になります。
そういった意味で、成功者のエビデンスを集めている作品であったといえるのかもしれません。
まとめ
まず、明らかにしておきたいのは本書は、私にとって良書だということです。
なので、折に触れて(改めて通読することはないとしても)、様々な箇所を読み直してみたいと思える作品です。
とても読みやすい本である一方、多くの事象が盛り込まれているため自分のなかで咀嚼するには、何度か読み直す必要性を感じた作品でもありました。
こんな人におススメしたい
この本を読もうかどうか、迷われているのなら迷わず読まれることをおススメします。
特に年に何冊も書くような著者の本を読んで、読了後になんとなく納得しているけど、生活そのものは一向に変わっていないという方には特におススメしたいです(私もそのうちの一人であることを告白しておきます)。
あるいは、先に紹介した「7つの習慣」はさすがに長すぎるしなあとお考えの方にも、本書ならば「7つの習慣」比べれば、文字数は少なくなっているので読みやすいのではないかと思います。
次に読みたい本
大変素晴らしい書籍であったと思う一方、この本に限らずなのですが、著者が所々で取り上げる研究成果を私は、盲目的に信じてしまう傾向があることに気が付いています。
もちろん著者がでたらめのデータを引用しているとは思いませんが、統計的なアプローチに対してある程度疑いの目を養っておく必要はあるかと感じています。
そういった意味では、統計学への知識を深めておければとも思います。
そんな中で気になるのが、少し古い本ですが「統計はこうしてウソをつく―だまされないための統計学入門」